経営業務管理責任者の経験年数カウント手順
- sunshine333meecha9
- 7月18日
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更新日:8月12日
経営業務管理責任者(旧:経管)の経験年数をカウントする具体的な考え方を、以下の通りにまとめました。複数の資料を相互に照合することで、形式的な在任期間だけでなく、実質的な経営業務の継続性を証明します。
ステップ1:基礎となる期間の特定
まず、経営経験の基礎となる期間を特定します。
商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の確認:
法人役員の場合: 役員(取締役、執行役など)として登記されている期間(就任年月日~退任年月日または現在まで)を確認します。複数の会社での経験を合算する場合は、それぞれの会社の登記簿謄本で期間を確認します。
個人事業主の場合: 税務署に提出した開業届の開業年月日を確認します。廃業している場合は、廃業年月日も確認します。
必要な年数を確認: 申請する建設業の種類や経営業務管理責任者の要件(例:許可を受けようとする建設業で5年、それ以外の建設業で6年など)に合わせ、必要な経験年数を確認します。
ステップ2:期間中の「実質的な経営業務」の裏付けと常勤性の確認
特定した基礎期間中に、実際に建設業に関する経営業務が行われていたことと、常勤していたことを裏付ける作業を行います。
確定申告書・決算書類一式による事業継続性の確認:
毎年(または事業年度ごと)の申告書の有無: 特定した期間に対応する確定申告書(法人税申告書、所得税申告書)が、途切れることなく毎年提出されているかを確認します。
役員報酬の記載: 法人役員の場合、確定申告書(特に法人税申告書別表や役員報酬に関する明細)に、該当役員の役員報酬が継続して計上されているかを確認します。
完成工事高の確認: 決算書(損益計算書や完成工事原価報告書)に、毎年建設工事の売上(完成工事高)が計上されているかを確認します。これにより、その会社が継続的に建設業を営んでいたことが分かります。
注意点: 売上が全くない期間や、役員報酬が計上されていない期間は、実質的な経営業務が行われていなかったと判断され、経験年数から除外される可能性が高いです。
社会保険加入記録による常勤性の確認:
健康保険・厚生年金保険の被保険者記録照会回答票: これが最も重要な常勤性証明資料です。特定した期間を通じて、その人物が継続的に社会保険に加入していたことを確認します。加入期間の開始日と終了日が明確に記載されています。
源泉徴収票: 各年の源泉徴収票に給与(役員報酬含む)の記載があり、社会保険料が控除されているかを確認します。
社会保険被保険者証の写し: 会社に所属していることの現時点での確認。
注意点: 社会保険の加入が途切れている期間は、常勤性が認められず、経験年数にカウントされない可能性があります。
請負契約書、注文書、請求書、通帳の写しによる具体的な工事実績の確認:
特定した期間中に、実際に建設工事を請け負っていたことを裏付けます。
各事業年度(毎年)にわたり、複数の請負契約書やそれに関する注文書、請求書、入金が確認できる通帳の履歴(入出金明細)を準備します。
これらの書類に記載された契約日、工事期間、請求日、入金日が、登記期間や事業期間と重なり、継続的に事業活動が行われていたことを示します。
経営経験・実務経験期間確認表を作成してこの作業を実施します。3か月以内の感覚で継続してこれらの書類が存在することをこの表に記載します。
注意点: 一部の期間でこれらの具体的な工事実績が全く確認できない場合、その期間は経営業務経験として認められない可能性があります。
ステップ3:経験年数の計算と調整
上記の確認結果に基づき、経営経験年数を算出します。
有効期間の特定: ステップ1で特定した基礎期間から、ステップ2で実質的な経営業務や常勤性が確認できなかった期間を除外します。
年数の合算: 有効と判断された期間を全て合計し、必要な年数(5年または6年)を満たしているかを確認します。
月の単位で計算し、端数(1ヶ月未満)は切り捨てられる場合が多いです。
複数の会社や個人事業での経験を合算することも可能です。
まとめ
年数のカウントは、単一の書類だけでなく、商業登記簿謄本、確定申告書、決算書類、社会保険の加入記録、そして具体的な工事実績(契約書等)といった複数の資料を相互に照らし合わせ、その期間を通じて一貫して建設業の経営に携わり、常勤していたことを総合的に証明することが重要です。
もし、いずれかの期間で証明が難しい部分がある場合は、行政書士に具体的に相談し、代替資料や説明方法についてアドバイスを求めることが不可欠です。

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